■改正法の問題点
(1) 住民基本台帳法の目的との違背性
住民基本台帳法第1条は、市町村において住民の居住関係を公証し、住民に関する記録を正確かつ統一的に行なうことを目的「改正法」では、国の行政機関が市町村固有の自治事務である住民基本台帳を他の目的に利用する事を認めるなど、住民基本台帳法の目的に抵触する。
現在の分権の流れに逆行する中央集権システム。もっと違うシステムの構築があるはず。
(2) 国民総背番号制につながる危険性
これまで各省庁それぞれの目的で収集記載されていた個人情報が、「住民票コード」という共通の鍵(マスターキー)で、簡単に接続されてしまう危険性がある。
すなわち、改正法では各行政機関が収集した個人情報を当該事務以外の目的に利用してはならないと規定しているが、マスターキーである「住民票コード」があれば、法律さえ作れば、簡単にいつでも私達の個人情報の目的外使用をすることができるようになる。
また、法律に違反して目的外使用しても違反については罰則もない。
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(3) 個人情報保護規定の薄弱性
個人の年金番号や健康保険番号以上に、個人情報を網羅する危険のある住民票コードである。
<民間利用>
住民票コードの民間利用を禁じているが、民間がこれに違反し利用しても、直ちに処罰されることはない。知事の中止勧告後、これに従わないときに初めて処罰する(1年以下50万円以下)例えばサラ金などが年金証や健康保険証などを担保にしている現状があることから考えると、私達の暮らしの全てを補足しかねない「住民票コード」を通用させることで私達のリスクは更に増す。
*このような国民のプライバシーの侵害を避けるためには、例え借金の担保として要求されたとしても私達自らの提供を禁止するとともに、任意提供を受けたものに対して制裁を科す規定が必要。現在、わが国の民間部門における個人情報保護については、全く法的な措置がなされていない。
<行政の罰則> 行政職員は2年以下100万円以下
行政機関等個人情報保護法案:行政を対象とする個人情報保護法。公務員には罰則規定がない。犯罪・病歴などの情報に収集制限も野受けられておらず、防衛庁で問題となったリスト作成などには対応できないなどの不備が明らかになり、国会では成立が断念された。(4) 住民の苦情を処理する機能の不備…第三者性必要
「改正法」は、都道府県や(財)地方自治情報センター(指定情報処理機関)に、本人確認情報を保護するための審議会や委員会を置くとしているが、この機関の独立性や権限が明示されておらず、その機能性が疑問視される。(大阪府・吹田市とも個人情報保護審議会)
また、「改正法」は市町村長、都道府県知事、または指定情報処理機関に本人情報に関する事務の実施に関する苦情処理を努力事務としているが、住民の本人確認情報を保護し、苦情を適切に処理するためには、独立した苦情処理機関を設け、勧告する権限などをもたせなければ実効性がない。(5)国の政府機関への情報連結が進むばかりではなく、地方自治体への波及も考えられている。
ICカードの利用が、行政等の個人情報の飛躍的管理につながる危険
住民基本台帳カードは4情報以外に、各市町村において条例でTCチップを埋め込み情報を追加することができる。
このようなカードのIC化は他の国でも例がなく、このカードには最高8,000字(新聞1ページ分)の情報を書き込むことができるとされている。
そして、各市町村の活用範囲には明確な規定がないため、
○ 健康診断の記録や血液型・遺伝子情報を含む病歴
○ 生活保護や介護サービスの受給関係
○ 「思想信条の自由」に抵触する図書館の貸し出し記録
などの個人情報が住民サービスの提供のためという理由で、カードに書き込まれる事も可能。一つの自治体で活用されれば他の自治体にも波及し、全国に発展通用することにもなりうる。